数理システムのユーザカンファレンスに行ってきました(先週)

数理システムのユーザカンファレンスに行ってきました。
会社へ報告用に概要を書いたのですが、結構長文になったので、
会社だけだともったいないので、ブログにあげます。

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■ 基調講演
■  データ分析と意思決定の狭間 〜「数学的に正しい解」と「現場的に使える解」の違い〜
大阪ガス株式会社 河本 薫 様

(概要)
"会社を変える分析の力"http://www.amazon.co.jp/dp/4062882183/ref=cm_sw_r_tw_dp_kTrDub0Q5M52Yの著者です。
大阪ガス株式会社のビジネスアナリシスセンターに所属.
このセンターのミッションが、"企業の全組織、全業務、全サービスにおいてデータ分析の活用機会を発掘し、分析力で新たな価値を創造する。"ということで、
品質管理以外にも、財務や人事の事も調査するそうです。

センター員は自分達をフォワード型分析者集団(⇔バックオフィス型分析者)と呼んでいて、
(1)ビジネスに役立つ分析課題の発掘→(2)ビジネスを意識したデータ分析→(3)ビジネスに役立つまで支援し見届ける
の3ステップを受け持っているそうです。(バックオフィス型分析者は、(2)のデータ分析だけしかしない。)

(1)の課題発掘については、特に決まったやり方が無いですが、
地道に現場の人と話をして出た課題を、まずexcel等で簡単に解いてみて、
現場の手ごたえがあったものだけ本格的に開発するようにすると、あんまり失敗しないそうです。

(3)ビジネスに役立つまで支援し見届ける 事の敵は、現場のKKD(勘と経験と度胸)で、
データ分析でなかなか昔からいる職人さんに勝てない。または、勘と経験に合わない解は、現場で捨てられる。
コミュニケーション力で"心理的な壁"、IT力で"面倒くさいの壁"を超える方法を考えていかないといけない。


■転職支援におけるデータ解析の活用 〜Visual R Platform による統計分析環境強化〜
■山之下 拓仁 様
■(株式会社インテリジェンス)

(概要)
タイトルのVisual R Platformは、数理システムが開発しているR言語を使った統計分析ツールです。
株式会社インテリジェンスは、DODAや、anなど人材紹介サイトを運営している会社です。

今回の事例では、書類通過の可能性が高い候補者特性の判別と予測を行っていました。
ズバリ履歴書に記載されている情報の中で、どの項目が一番転職に有利なのかを調べるということです。
機械学習で"決まりやすい"案件を絞り込み、その中からコンサルタント等が求人を提案するようにしたいそうです。

Visual R Platformで、決定木、ニューラルネットワーク、ランダムフォレストの3つの手法を試していました。
結果、ランダムフォレストは、5分割交差検証だと正解率が93%と高い、
決定木は正解率が低いけど要因が出るので人が見てわかりやすく使えそうとのことでした。
この事例では業種で分けていないので、業種別に分析すればさらに精度が上がるはずなので今後行う予定。


■購買データを用いたロイヤルカスタマー分析 〜大手総合通販の最新事例〜
■菅 由紀子 様
■(株式会社 ALBERT)

(概要)
one to one マーケティングを大手通販サイトに提案しているそうです。
人口統計的データを使ったマーケティング(20代女性向け!など)は死にかけで、
今は閲覧履歴など行動履歴を使ったマーケティングを行う必要があるそうです。
楽天でいつも見ないカテゴリの商品を見ると、次の日からたくさんそのカテゴリのメールが飛んで来る仕組みです。

行動履歴を使った分析ではよくRFM分析を使います。
RFM分析では、R(recency:最新購買日)F(frequency:累計購買回数)M(monetary:累計購買金額)で顧客を分け、
1回だけ購入した人向け、最近ご無沙汰なお得意様向け、など様々なキャンペーンを打ち出します。
 大体、通販サイトは1回だけ購入した人と、お得意様の2極化します。
外資の通販サイトは、1回目に購入した人にはたくさんおまけをつけたりして対策しているそうです。
お得意様については、購入品のカテゴリでクラスタを作成し、メルマガの内容を変えます。
さらにメルマガの頻度についても、購入品のカテゴリで購入の頻度が違うのでそれに合わせて、変えているそうです。

流行っているアパレルサイトだと、購入の頻度が3日くらいのところがあるそうです。
買った服が届くと、サイトを見に行ってまた買う、という感じの顧客が多いそうです。
(TSUTAYAにビデオを返しに行くと、ついでにまた借りてくる無限ループに近い)


■コールセンターセッション
■コールセンターにおける数理システム製品応用事例 〜Numerical Optimizer によるワークフォースマネジメント〜
■竹内 晃一 様(沖電気工業株式会社)
(概要)
電話件数を予測し、コールセンタの人員の要望を聞き、マネージャが気合でシフトを作成してたのを、
自動で行いたい。
シフト作成なので、数理計画法を使用している?
シフトの良さは、測れないので、自動で作ったシフトがよかったのかはわからないが、
マネージャが2~3日かかってた手間が半日くらいになったので、良かった。
シフトの不満の矛先が、マネージャから機械になったのも、よい。

■コールセンターセッション
■コールセンターにおける数理システム製品応用事例 〜Text Mining Studio によるお客様の声分析〜
■北村 美穂子 様(沖電気工業株式会社)

(概要)
コールセンタへのお問合せの内容を分析し、QAサイトや対応マニュアルを作りたい。
そのために、辞書(マイニング用の)を作成しています。
コールセンタの人は、要約してメモを残すのが得意なので、うまくいきそうですが、
急いで打つので、誤字脱字が多いです。表記ゆれとも戦わなければなりません。
作成した辞書は、会社の財産になる!と連呼してたのが印象的でした。